能登空港と観光

能登空港が開港され観光産業活性化の期待と現実とのギャップについて報道があった。関係者が「空港は有益なものだったのでしょうか?」などのインタビューを受け、「まだこれからですので、結論は来年からです、がんばります。」などと力なく答えていた。少しかわいそうだった。前々からの計画だったにしろ、計画性に欠けた空港開発に見えて仕方なかった。
そもそも、空港の収益を観光に重点をおいているのはどうかと思った。良い所であるとは思うけれども、大衆向けの観光スポットではないことは確かである。そんな場所に観光の為の空路が必要だろうか?しっかりとしたマーケティングの上の計画であるか疑問である。
旅行業には2種類あると考える。「流行もの」と「地域密着もの」である。「流行もの」だと必ずしも地域密着の娯楽を提供する必要もない。ただし多くのリピーターを獲得する為に流動性を必要とするはずだ。逆に「地域密着もの」は不変性が重要なのだと思う。気に入ってくれる人だけリピーターとして来てくればいい。そういう態度で変わらない地域のよさを提供する。特に都会からの旅行者は時間を忘れたいという真理から好むことも考えられる。
能登は自然や風土産業をうりにしている。「地域密着もの」である。空港のプレッシャーによる中途半端なPR活動で、地域の独自さを台無しにすることがないことを願いたい。